not exactly の意味は?
not really との違いを実会話76本で数えた
not exactly と not really は「どちらもやんわり否定」とまとめて教えられがちです。では実際の会話でどう使い分けられているのか。日常会話が多い7ジャンルの動画76本から、やわらかく否定・訂正する言い方をまとめて数えました。差は65倍ありました。
not exactly は「訂正」、not really は「否定」
まず役割の違いです。どちらも同じ「やんわり否定」ではありません。
| 表現 | 役割 | 返す相手 |
|---|---|---|
| not exactly | 訂正「厳密にはちょっと違う」 | 相手の事実認識がずれているとき |
| not really | 否定「そうでもない」 | 相手の推測や質問をやわらげて否定するとき |
| So you grew up in Tokyo? — Not exactly. I moved there at fifteen. | 東京育ちなんですね? — ちょっと違います。15歳のときに引っ越したんです(事実の訂正) |
| Are you into horror films? — Not really. | ホラー映画は好きですか? — そんなには(やわらかい否定) |
実会話では65対1だった
ここからが本題です。76本を全文検索すると、使用量がまったく釣り合っていませんでした。
| 表現 | 回数 | 出現した動画 | ジャンル |
|---|---|---|---|
| not really | 65回 | 28本 | 5 |
| not quite | 3回 | 2本 | 2 |
| not necessarily | 2回 | 2本 | 2 |
| not exactly | 1回 | 1本 | 1 |
しかもその1回は返答ではなかった
唯一見つかった not exactly を開くと、参考書が教える「Not exactly.」という返答の形ではありませんでした。配信者が自分の話の中で「〜とは言い難い」とぼかした、文中に置いた部分否定です。同じ形で例文を作ると、こうなります。
| The course is not exactly beginner-friendly. | そのコースは初心者向けとは言い難い(同じ形で作った例文) |
「全年齢向けではない」と言い切っているのではなく、「そうとは言い難い」とぼかしているのがポイントです。つまり返答としての Not exactly. は、76本のなかで0回でした。
※ 母数が1件なので「返答では絶対に使わない」とまでは言えません。ただしnot really が65回・28本・5ジャンルに広く出ているのに対し、not exactly は1本にしか現れていない、という差ははっきりしています。
not really はどこで使われていたか
65回の内訳をジャンル別に見ると、会話量の多いジャンルに集中していました。
| ジャンル | 回数 |
|---|---|
| 街頭インタビュー | 25回 |
| 雑談配信 | 23回 |
| ゲーム配信コラボ | 9回 |
| 対談 | 6回 |
| 接客 | 2回 |
質問に答える場面が多いジャンル(街頭インタビュー・雑談)で突出しています。「〜ですか?」に対して「いや、そんなには」と返す形が、この表現の中心的な使いどころだということです。
not quite と not necessarily
- not quite(3回)← 「あと少しで届かない」。惜しいニュアンス。not exactly に近いが、こちらは程度の話
- not necessarily(2回)← 「必ずしもそうとは限らない」。一般化を退けるときに使う
どちらも数は少なく、やわらかい否定はほぼ not really 一択という結果でした。
結局どう使い分けるか
- 質問や推測をやわらかく否定する → Not really. これが会話の標準形
- 相手の事実認識を訂正する → Not exactly. 意味は通じるが、実会話では出番が少ない
- 文中で「〜とは言い難い」とぼかす → not exactly はこの形でこそ生きる
- 惜しい・あと少し → not quite
断定をやわらげる言い方は、ほかにも kind of のようなぼかし表現があります。あわせて more or less の意味は? もどうぞ。