beats me の意味は?
「わからない」の言い方を実会話76本で数えた
beats me は「わからない」のこなれた言い方として紹介されることの多い表現です。では会話でどれくらい出てくるのか。日常会話が多い7ジャンルの動画76本から、「わからない」と答える言い方をまとめて数えました。結果、beats me は1回も出てきませんでした。
まず beats me の意味と成り立ち
もとの形は It beats me.。この beat は「叩く」ではなく「(人を)参らせる・お手上げにさせる」の意味です。
| It beats me. | それが私を参らせる |
| ↓ 主語の it が落ちる | |
| Beats me. | さっぱりわからない |
会話では主語が落ちて Beats me. の形で使われます。三人称単数の s が残っているのはこのためで、命令文の「私を叩け」ではありません。
ところが76本で0回だった
動画76本・7ジャンルを全文検索したところ、beats me の出現は0回。念のため it beats me、beat me の形でも探しましたが、どちらも0件でした。
※ beat という単語自体は87回出てきますが、内訳は「ゲームをクリアする」型が25回、配信のファン名(dead beats)が24回など、すべて別の用法でした。
誤解のないように書いておくと、これは「間違い」でも「存在しない表現」でもありません。辞書に載っている表現です。今回わかったのは、この7ジャンルの会話では選ばれていなかったということです。
実際に使われていた「わからない」
では、同じことを言いたいときに何が使われていたのか。差は極端でした。
| 言い方 | 回数 | 出現した動画 | ジャンル |
|---|---|---|---|
| I don't know | 466回 | 56本 | 7 |
| no idea(I have no idea を含む) | 24回 | 17本 | 6 |
| └ I have no idea | 13回 | 9本 | 6 |
| I'm not sure | 16回 | 10本 | 5 |
| who knows | 11回 | 8本 | 4 |
| no clue | 3回 | 3本 | 3 |
| beats me | 0回 | 0本 | 0 |
I don't know が圧倒的だった
466回・76本中56本。7ジャンルすべてに出てきました。2位の no idea(24回)の約19倍で、「わからない」はほぼこの1語でまかなわれています。
ただし466回の中身は同じではありません。うしろに何が続くかで3つに分かれます。
| 形 | 回数 | 意味 |
|---|---|---|
| 単独で答える | 209回 | 「わからない」とそのまま返す |
| if / what / where などが続く | 208回 | 「〜かどうか分からない」「何が〜か分からない」 |
| 名詞が続く | 49回 | I don't know the answer. のように対象を言う |
つまり「わからない」と単独で答えた形だけでも209回。それでも他のどの言い方より桁違いに多い、ということです。
| Who's picking us up? — I don't know. | 誰が迎えに来るの? — わからない(単独) |
| I don't know if they still deliver this late. | こんな遅い時間にまだ配達してるか分からない(if が続く形) |
「〜かどうか」の I don't know if については、if が名詞節か副詞節かの見分け方 で詳しく扱っています。
残りの4つの使い分け
- no idea(24回)← 「見当もつかない」。I don't know より強く突き放す。I have no idea の形が13回
- I'm not sure(16回)← 「確信がない」。断定を避けたいとき。知らないとは言い切っていない
- who knows(11回)← 「誰にも分からないよ」。自分だけでなく誰も分からないという含み
- no clue(3回)← 「手がかりゼロ」。no idea よりさらにくだけた言い方
I don't know だけが7ジャンルすべてに出ていて、no idea が6、I'm not sure が5、who knows が4、no clue が3ジャンル。回数が減るほど、出てくる場面も限られていきます。
では beats me はいつ使うのか
覚えておく価値はあります。聞いたときに意味が分かる必要があるからです。
- 聞き取り用に覚える:ドラマや映画で出てきたときに困らないように
- 自分から言うなら:I don't know を選べばまず外さない
- もう少し崩したいとき:no idea(24回)が現実的な次の選択肢
※ 今回のデータは日常会話が多い7ジャンル(街頭インタビュー・厨房内会話・ゲーム配信・接客・雑談配信・対談・スタンダップコメディ)の76本です。ジャンルが変われば結果も変わります。