if が名詞節か副詞節かの見分け方
前の動詞を見れば決まる
訳してから判断する、消しても文が成り立つか試す——見分け方はいくつも紹介されますが、読みながら瞬時に判断するには向きません。日常会話が多い7ジャンルの動画76本を分析すると、if の前に来る動詞はごく限られていることが分かりました。そこを見るのがいちばん速い方法です。
まず割合:名詞節は全体の12%しかない
if は動画76本で1,047回出てきました。内訳はこうです。
ほとんどは副詞節の「もし〜なら」です。名詞節は12%しかありません。つまり「まず副詞節を疑い、動詞を見て名詞節かを確かめる」という順番が実態に合っています。
※ 節(主語+動詞のかたまり)については 句と節の違い をご覧ください。
見分け方は「if の前の動詞」
名詞節の if は、動詞の目的語になっています。だから if の前に「〜かどうか」を目的語に取る動詞があるかを見れば判断できます。
| I don't know if that's the right word. | それが正しい言い方か分からない(街頭) |
| It doesn't matter if you're rich. | 金持ちかどうかは関係ない(街頭) |
| Let me see if I can reconnect my headset. | ヘッドセットを繋ぎ直せるか確かめる(ゲーム) |
逆に、そうした動詞が前に無ければ副詞節です。
| You can always change your mind if you want to. | 気が変わったらいつでも変えていい(街頭) |
| If you keep an open mind while traveling, you notice small things everywhere. | 旅の間ずっと心を開いていれば、あちこちで小さな発見がある(街頭) |
名詞節を導く動詞の内訳(119件)
では実際にどの動詞が使われていたのか。名詞節の if 119件すべてを、肯定・否定に分けて数えました。
| 語 | 否定 | 肯定 | 計 |
| know 〜か分かる | 50 | 9 | 59 |
| see 〜か確かめる | 0 | 28 | 28 |
| wonder 〜かなと思う | 0 | 9 | 9 |
| matter 〜かは重要だ | 7 | 0 | 7 |
| sure 〜か確信がある | 2 | 4 | 6 |
| tell 〜か見分ける | 1 | 1 | 2 |
| ask 〜かたずねる | 0 | 2 | 2 |
| find out 〜か突き止める | 0 | 2 | 2 |
| remember 〜か覚えている | 1 | 1 | 2 |
| check 〜か確認する | 0 | 1 | 1 |
| no idea 〜か見当もつかない | 0 | 1 | 1 |
| 合計 | 61 | 58 | 119 |
know(59件)と see(28件)だけで87件。全体の4分の3です。残りは数が小さく、データとしては不十分でした。実質この2語を押さえれば足ります。
know は否定、see は肯定に偏る
表をよく見ると、2語で使われ方がはっきり分かれています。
- know(59件)… 50件(85%)が否定文。don't know if 〜(〜かどうか分からない)が定番
- see(28件)… 28件すべてが肯定文。see if 〜(〜か確かめる)の形で、否定では使われていなかった
同じ「〜かどうか」でも、know は「分からない」と言うために、see は「確かめる」ために使われている。役割が違うから、否定と肯定に分かれます。
名詞節の if が文頭に来ない理由
副詞節の if は文頭にも文中にも置けます(実データでは文中782回・84%、文頭146回・16%)。一方で名詞節の if は文頭に来ません。
理由は構造です。名詞節の if は動詞の目的語なので、動詞の後ろにしか置けない。目的語が文頭に立つことはないので、そこに来られないというだけのことです。
つまり文頭の if は必ず副詞節。これも判断材料になります。
whether はほとんど使われない
「〜かどうか」は whether でも表せます。ただし実データでは whether は12回だけでした。名詞節の if が119回なので、話し言葉ではほぼ if に置き換わっていることになります。
学校では whether が「正式な形」として教わりますが、会話で耳にするのは圧倒的に if のほうです。